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相続手続きの流れと期限一覧|死亡後にやることを時系列で解説

2026.09.11

身近な方が亡くなると、深い悲しみの中で、膨大な手続きが一斉に始まります。死亡届の提出から葬儀、年金や保険の手続き、口座の凍結対応、相続放棄の判断、相続税の申告、そして不動産の名義変更まで——その多くには期限があり、知らずに過ぎると不利益を被るものもあります。

本記事では、相続手続きの全体像を時系列の一覧表で整理し、それぞれの手続きのポイントを「期限」「窓口」そして「誰がやるのか」という視点で解説します。ブックマークして、必要なときに見返せる保存版としてご活用ください。

この記事は、遺言書作成サポート・死後事務委任契約を専門とするウィルサポート株式会社(東京都新宿区神楽坂/提携:神楽坂法務合同事務所)が執筆しています。

相続手続きの全体スケジュール【保存版・一覧表】

期限の目安 主な手続き 窓口 専門家への依頼
7日以内 死亡届の提出・火葬許可申請 市区町村役場 葬儀社が代行するのが一般的
10〜14日以内 年金の受給停止、健康保険・介護保険の資格喪失、世帯主変更 年金事務所・市区町村役場 可(社労士・行政書士等)
落ち着き次第 金融機関への連絡、公共料金等の解約、葬祭費等の請求 各金融機関・各社・役所 可
3か月以内 相続放棄・限定承認の申述 家庭裁判所 可(司法書士・弁護士)
4か月以内 準確定申告 税務署 可(税理士)
10か月以内 相続税の申告・納付 税務署 可(税理士)
3年以内 相続登記(2024年から義務化) 法務局 可(司法書士)

それでは、時系列に沿って各手続きを見ていきましょう。

死亡直後〜7日以内:死亡届と葬儀

医師から受け取った死亡診断書と一体になった死亡届を、7日以内に市区町村役場へ提出し、火葬許可証の交付を受けます。実務上は葬儀社が提出を代行してくれるのが一般的です。

実務のワンポイント:死亡診断書は、この後の保険・年金・金融機関などあらゆる手続きで繰り返し提出を求められます。原本を提出する前に、コピーを5〜10枚取っておくと後がスムーズです。

葬儀の手配・喪主の務め・関係者への連絡は、この時期に手続きと並行して進みます。担い手がいない、または一人に集中してしまうご家庭では、この段階が最初の大きな山になります。

14日以内が目安:年金・保険・世帯主の手続き

  • 年金の受給停止:故人が年金を受給していた場合、厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内が目安です。あわせて、亡くなった月分までの未支給年金は、請求しないと受け取れません(請求権の時効は5年)。
  • 健康保険・介護保険の資格喪失:国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険は14日以内が目安。保険証の返却も行います。
  • 世帯主の変更届:故人が世帯主で、残された世帯員が2人以上いる場合に、14日以内に届け出ます(残りが1人ならその方が自動的に世帯主となるため不要です)。

落ち着いたら:口座凍結への対応と「もらえるお金」の請求

銀行口座はいつ凍結される?

金融機関が死亡の事実を知った時点で口座は凍結され、引き出しも引き落としも止まります。役所に死亡届を出したら自動的に凍結される、というのは誤解です。

凍結後でも使える「預貯金の仮払い制度」

遺産分割前でも、各相続人は「相続開始時の預金残高×3分の1×自分の法定相続分」(同一金融機関につき150万円が上限)まで、単独で払い戻しを受けられます。当面の葬儀費用や生活費に充てられる、知っておくべき制度です。

請求しないともらえないお金

  • 葬祭費・埋葬料:国民健康保険や健康保険から、葬儀を行った方などに5万円〜7万円程度(制度・自治体により異なります)が支給されます。請求の時効は2年。忘れずに申請しましょう。
  • そのほか、高額療養費の払い戻し、生命保険金の請求なども確認します。

解約・精算とデジタル遺産

電気・ガス・水道・電話・インターネット・クレジットカード・サブスクリプションの解約も、この時期に進めます。見落としやすいのが、通帳のないネット銀行・ネット証券などのデジタル遺産です。スマートフォンやパソコン、メール、郵便物、通帳の引き落とし履歴を手がかりに、粘り強く探す必要があります。

3か月以内:相続放棄・限定承認の判断

相続では、プラスの財産だけでなく借金などのマイナスの財産も引き継ぎます。相続を放棄する(またはプラスの範囲でのみ引き継ぐ限定承認をする)なら、相続開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければなりません。

借金の有無はこう調べる

心当たりがなくても、次の信用情報機関3社に情報開示を請求すれば、故人の借入れやカードローンの有無を確認できます。

  1. CIC(クレジットカード会社系)
  2. JICC(消費者金融系)
  3. 全国銀行個人信用情報センター(銀行系)

調査が3か月で終わりそうにない場合は、家庭裁判所に熟慮期間の伸長を申し立てることもできます。「間に合わないから仕方なく相続」となる前に、早めに動きましょう。

4か月以内:準確定申告

故人に事業所得や不動産所得があった場合などは、1月1日から死亡日までの所得について、相続人が代わりに確定申告(準確定申告)を行います。年金収入400万円以下でその他の所得が20万円以下の場合など、不要なケースも多いため、まず要否を確認しましょう。

10か月以内:相続税の申告・納付

相続税には基礎控除があり、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を遺産総額が超えなければ、原則として申告は不要です。例えば相続人が2人なら4,200万円までは課税されません。

注意したいのは、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額がゼロになる場合でも、特例の適用には申告が必要という点です。基礎控除を超えそうな場合の具体的な税額計算や節税判断は、税理士へのご相談をおすすめします(当社から信頼できる専門家のご紹介も可能です)。

3年以内:相続登記【2024年から義務化】

不動産を相続したら、取得を知った日から3年以内の相続登記が義務です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となり、義務化前の過去の相続も原則2027年3月31日までに登記が必要です。詳しい期限の考え方、費用、遺産分割がまとまらない場合の対処法は、相続登記の義務化とは?いつまでに必要?過料や手続き・費用を解説の記事で解説しています。提携事務所による定額66,000円の相続登記サポートもご利用いただけます。

期限のない手続きこそ、後回しにしない

遺産分割協議、預貯金の解約・払い戻し、株式や自動車の名義変更、遺品整理には法律上の期限はありません。しかし、放置すれば相続人の高齢化や次の相続の発生で話し合いは年々難しくなります。特に住まいの片付け・遺品整理は心身の負担が大きい作業です。ウィルサポートでは生前整理・遺品整理のサポートも行っていますので、抱え込まずにご相談ください。

この全部を、誰がやるのか——「担い手」の問題

ここまでお読みいただいて、いかがでしょうか。これだけの手続きを、悲しみの中で、多くは平日の日中に、誰かが担わなければなりません。

お子様がいない、ご親族が遠方・ご高齢、おひとりさま——担い手がいない、または一人に負担が集中するご家庭こそ、元気なうちの備えが効きます。

  • 遺言書があれば、遺産分割協議が不要になり、預貯金・不動産の手続きが大幅に簡単になります
  • 財産目録・エンディングノートがあれば、デジタル遺産を含む財産探しの手間がなくなります
  • 死後事務委任契約を結んでおけば、葬儀から役所手続き、住まいの片付けまで、専門家が本人の希望どおりに実行します

詳しくは死後事務委任契約とは?費用・依頼できること・手続きの流れの記事をご覧ください。

よくある質問

Q. 葬儀費用は誰が負担するのですか?凍結前に故人の口座から下ろしてもいいですか?

A. 法律上の決まりはなく、喪主や相続人が立て替え、遺産から精算するのが一般的です。死亡後の無断の引き出しは相続人間のトラブルや、相続放棄に影響するおそれがあるため、本文でご紹介した仮払い制度の利用が安全です。

Q. ネット銀行やネット証券の口座は、どうやって探せばいいですか?

A. スマートフォンのアプリやメール、郵便物、他口座の入出金履歴が手がかりになります。証券保管振替機構(ほふり)への開示請求で、株式口座の有無を調べる方法もあります。

Q. 相続人が遠方に住んでいて集まれません。遺産分割協議書はどう作りますか?

A. 全員が一堂に会する必要はありません。電話等で合意した内容を協議書にまとめ、郵送で順番に署名・押印していく「持ち回り」方式が実務上広く使われています。

Q. 期限を過ぎてしまったらどうなりますか?

A. 手続きにより影響は異なります。相続放棄は原則できなくなり、相続税は延滞税等が発生し、相続登記は過料の対象になり得ます。過ぎてしまった場合も救済の余地があるケースはありますので、諦めずに早めにご相談ください。

Q. 司法書士・税理士・行政書士、誰に何を頼めばいいですか?

A. 目安として、不動産の登記は司法書士、相続税は税理士、戸籍収集や書類作成は行政書士、争いがある場合は弁護士です。当社にご相談いただければ、状況を伺ったうえで提携の専門家と連携し、窓口を一本化してサポートします。

まとめ:手続きの地図を持ち、担い手を決めておく

  • 相続手続きは「3か月(放棄)・4か月(準確定申告)・10か月(相続税)・3年(登記)」の期限を軸に進める
  • 口座凍結には仮払い制度で対応。葬祭費など「もらえるお金」は時効前に請求を
  • 借金の有無は信用情報機関3社への開示請求で確認できる
  • 期限のない手続きも、放置すれば確実に難しくなる
  • そして最大の備えは、生前に「担い手」を決めておくこと——遺言書と死後事務委任契約

ウィルサポート株式会社(東京都新宿区神楽坂)は、相続発生後の手続き支援から、遺言書・死後事務委任契約による生前の備えまで、提携の神楽坂法務合同事務所とともにワンストップでサポートします。ご相談は無料。お電話は平日10時〜18時、メール(お問い合わせフォーム)は365日受け付けており、土日祝の面談(要事前予約)や訪問でのご相談(基本無料、遠方は応相談)にも対応しています。


執筆:ウィルサポート株式会社(東京都新宿区神楽坂4丁目1番1号オザワビル6階/提携:神楽坂法務合同事務所)

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